ブックタイトルあーしあん379
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あーしあん379
3公開確認会 公開確認会初日の29日は、オーリア21・花咲農園のプレゼンテーションと栽培から出荷に関する記録資料(帳票)の確認を実施しました。両産地からのプレゼンテーションでは有機栽培や農薬・化学肥料を抑えた環境保全型農業へのこだわりや交流活動の説明があり、『干拓事業で環境に負荷をかけて作った大潟村だからこそ、環境負荷をできるだけ減らして未来へ地域を引き継いでいきたい』という想いが伝わってきました。大潟村では全国に比べると離農率は低く、耕作放棄地はないものの、開墾当時から農家の数は徐々に減り続け、農家1戸当たりの面積は約19ha(東京ドーム約4個分)に増えています。さらに高齢化に伴い、手作業で草取りできる人数が減少しており、手間のかかる環境保全型農業に新たに手を出しづらく、仲間になる生産者はなかなか増えない課題を抱えています。 記録資料には、作付の計画から出荷までがきちんと記録に残されていて、パルシステムの基準に合うよう栽培されている事を確認できました。オーリア21の工藤代表から「カメムシが発生した場合でも、出荷できる量は減ってしまうが農薬はかけない。」とお話がありました。消費者である私たちは一方的に農薬を減らして欲しいと生産者に伝えるだけではなく、減らした場合にも生産者にとってはご苦労があるということを理解しなければいけないと感じました。 翌30日は、大潟村干拓博物館、生産者の田んぼ、大潟村カントリーエレベーター公社を視察しました。一般的に農家が所有する農薬等の保管庫を大潟村の生産者はどなたも所有しておらず、間違えて散布してしまうなどのリスクがありません。また各田んぼにも栽培方法が表示されている看板があり、生産者同士栽培方法の確認の為の巡回も行われていました。花咲農園の一部とオーリア21で収穫したお米はカントリーエレベーターと呼ばれるモミのまま低温貯蔵できる大きなサイロに搬入されます。注文を受けてから出荷分だけを籾摺・精米するので、収穫したてのままのおいしさで私たちに届けられています。 視察後、監査人から産地の取り組みの評価を報告し、両産地からの受け止めの発表をして公開確認会が終了しました。 「現地に来ないと分からない風土を感じてほしい。」と花咲農園の戸澤代表から開会の際に話があった通り、今回の公開確認会は、オンライン交流ではなかなか感じることができなかった五感を使っての監査となりました。両産地ともコミュニケーションをとても大事にされていて、生産に良く反映されているのを感じてきました。オーリア21は、パルシステム山梨 長野独自の「元気な稲穂あっこちゃん」の産地でもあり、組合員のみなさんも交流の機会には、ぜひ生産者とのお話を楽しんで、生産者の取り組みや人柄を感じてもらえたら嬉しいなと思います。常任理事中西 尚美